~あらすじ~
そこは山奥にある辺鄙な村。
温泉に訪れる客を除けば、日々代わり映えのないこの村で、
男は大工を生業としていた。
娯楽が少ないこの村で、若い彼にとっての関心事といえば、酒に、そして恋愛。
男には、昔から気になる女性がいた。
光をうけ輝くブロンドの髪に、海とも空とも思わせる、力強い意志を秘めたブルーの瞳。
何年も前に、この村へと越してきた一家の娘、
始めてあったその瞬間から、彼の心は完全に奪われていた。
娘の名をビアンカという。
彼女を花嫁に迎えたい。ただただ抱きたい。とにかく自分のものに…。
男の日々募る鬱蒼とした思いは、だがしかし未だに告げられずにいた。
関係を壊したくない恐怖、また一方で、変化の乏しさからくるある種の安心感が、
彼に積極性を失わせていたのだ。
そんな村を包む怠惰な空気にあわせて熟成された男の時間は、
だが、一人の訪問者によって、突然一気に流れ出す。
果たして彼は、愛する女性を手にすることが出来るのだろうか。
今、男の旅が始まる。